社長の溺愛




「どうしたの…?慎もお勉強?」


「違うよ、なっちゃんに挨拶しなくちゃいけないだろう?」


「そうなの?」


「そうだよ」



心なしか繋いだ手に力が入った気がする


小さくて細い指が示す力なんて弱々しいものだが、なんだが嬉しい



俺と一緒にいたいって訳じゃないと思うが、おめでたいつくりのおれの心は勝手に喜んでる




そうこうしているうちに足は動いてなっちゃんに近づく



気配に気がついたのかパッと振り向いた少年



「あっ、翼か、おは…よう…?」



「うん、なっちゃんおはよう」



振り向いたのは金髪の不良さながらに制服を輝崩したイケメンくん



そのイケメンくんは俺を見ると少し驚いたように眉間に皺を寄せた



「どうも、朝倉です…君がなっちゃん?」


満面の笑顔つきであいさつをするとイケメンくんは「あぁ~」と続けた