社長の溺愛




「え…ちょ、翼ちゃん…誤解しないで…」



うろたえながらこちらに歩いてくる幸弘



翼に変なこと教え込んだ罰だ


ついでに俺のストレス発散も兼ねてな、毎晩キツイんだよ、男として



「たくさん女のひと騙してる奴なんか嫌だよなー?」



「んー…」



翼は眠いのか返事がまともにできてない


その代わりにどんどん彼女の身体から力が抜けていくのがわかる



「幸弘なんか嫌だよなー?」



「んー…」



「翼ちゃ………」



肯定と取れる返事をする翼に嫌われたことになった幸弘はその場に涙の海を開拓していた


まったく迷惑な奴だな…


勝手に女と遊ぶくせに翼に嫌われるとこうもダメージを受けるとは


幸弘にとっては大事な妹のような翼だから相当なショックだろうな



ざまあみろ幸弘め!



そのまま涙の海に溺れてしまえ!