社長の溺愛




じゃなくて…


可愛い可愛い無邪気な翼ににっこりと微笑みかけて油断したとこを耳を塞ぐように抱き締める


「ふぁ…しぃ…」



咄嗟なことに驚いた翼が微かに声を漏らす


「おい、幸弘…」



デレデレな顔だったが瞬時に眉に皺が寄る



「んだよ、お前は呼んでねぇーよ」



せっかくの大理石をガツガツと歩み進んでどかっとソファーに座る



「お前またやったのか?」



俺が呆れ気味に言葉を発するとなんのことだと言わんばかりに口を開ける



「今度は誰だ?どうせまた適当なことでも言ったんだろ」



しばらく考え込んだ幸弘は「ぁあ!」と指をパンと鳴らした



「何回か寝ただけなんだよな~、遊びだから寝たのによ~」



何の悪びれもなく毒を吐く女たらし



「本気にさせたのが悪い」



「いやいや、遊びだって言って寝たんだよ、勝手に惚れられただけ」



まぁ、幸弘ほどのいい男に抱かれたらだいたいの女は惚れるだろうな



幸弘自信は気づいてるくせに無視だがな