おばさんにバッグを預けると、あたしは今度こそ自宅に帰った。

2階の自室に入り、カーテンを閉めベッドに寝転がる。

｢直哉のバカ｣

そしてあたしはそのまま、内線でお母さんに夕食だと呼ばれるまで眠ってしまっていた。



―――――

｢お姉、直ちゃんと喧嘩した?｣

｢ブッ……｣

｢ヤダ汚っ!｣

食事中、妹の清花(きよか)の唐突な質問に、あたしは口の中いっぱいに入っていたごはんを少しだけ吹き出してしまった。

｢あんでほんらほときふろよ｣

｢加奈、食べるか食うかどっちかにしなさい｣

｢あなた、それを言うなら食べるか喋るかでしょう｣

｢あはは、そうだな｣

｢……｣

そんな夫婦漫才のような両親の会話を無視しながら、とりあえず口の中の物を味噌汁で一気に流し込むと、再度清花に問いつめた。

｢何でそんな事聞くのよ｣