その音色はどこまでも美しく

それは先程の授業中。

数学の時間だった。

俺は教師の話を聞かずにぼーっと窓の外を眺めていた。

俺の席は一番後ろの窓側の席だったので、町並みがよく見えいい時間つぶしになっていた。

いつものように景色を眺め、もうすぐ夏だなぁとか思っているとあることに気が付いた。

俺の目の前に座っている可奈の体がリズムよく揺れている。

もしかして、寝てる?

そう思いしばらく様子を見ていると、ついに完全に机に突っ伏した格好になった。

若干、寝息のようなものが聞こえてくるので完全に逝ってしまったようだ。

これはいけない。

もし、教師が可奈に気付き注意でもされたら可哀相だ。

起こしてあげないと。