予想外な返しに俺だけじゃない。 友姫も呆然としていた。 「………正直なところ、俺は、羨 ましい」 「「…………えっ…?」」 羨ましい? …………何が? 「家族と離れてでも、一緒にいた いと、近くで思い出を共有し合い たいと思える相手がいるってこと が、心底、羨ましい」 …………拓海さん…。 「俺はまだ、そーゆー相手に会え てねぇから。だから、友姫と楓が 心底羨ましい」 「…………お兄ちゃん…」 ―――拓海さんは少し、 女運がないだけで、 本当は妹想いの、 いい人なんだと思う―…。