「これと〜あとこれ!!」
森との買い物は、
昔を思い出させた。
「? 何笑ってんだよ」
「なんかさ…昔に戻ったみたいだな〜って思って」
「昔?」
「あたしも森も、まだなんにも知らなかった、あの頃に」
「……………そうだな。あの頃が一番幸せだったかもな」
「なんにも知らないで、のんきに生きれる子供の頃が、懐かしいよ」
「あぁ」
あの頃には戻れない。
戻れないけど…。
「でも俺は、今の人生も、これはこれでいいと思ってるよ」
「…………え?」
「また、遥に会えたから」
「…………森…」
「だから俺は、いいと思う。遥だって、過去がなかったら、こんなところに来てないだろ???」
「そう…だね。森には再会できてなかったと思うよ」
「だからさ、いいんじゃねーの?こーゆー人生も」
「うん」
あたしは。
この学校に来て、
皆に出会えて、
本当によかったと、
思ってるよ―…。
絶対口には、
出さないけどね―…。