少年の方を見ると 少年は深くかぶっていた帽子 の下の表情が読み取れずに 何だかゾクッとしたが 「訳がわかんない、 あんた、誰?」 と思わず強く問いかけた 「ん?ただの通りすがり」 「かっこつけないで」 名前を聞きたいわけじゃない 知ってどうこうしたいわけじゃない 「こうやって現実からすぐ目を背ける 人間を探し求めてる人間」 その声は冷たくて 感情が何もなくて あたしは鳥肌が立つよりも 早く恐怖を感じた