「きゃっ!! 大変!! 申し訳ございません、ランバート様!!」
 メリアは真っ青になって、布巾を手にとりランバート伯爵に駆け寄る。
 慌てて衣服に布巾を宛がうが、それがまだかなり熱い温度だったことに気がつき、
「お、お怪我は!? お、お洋服をお脱ぎ下さい!!」
 と、無礼にも彼の上着のボタンを外しにかかったのだ。

「おい・・・。君は初対面の男の衣服を勝手に脱がそうとするのか・・・?」

 ランバート伯爵の声で正気に戻ったメリアは、自分がなんとハレンチで且つ無礼な行為をしていたかに気がつき、顔を真っ赤にさせてしゃがみ込んだ。
「すっ、すいません・・・!! そんなつもりは・・・!!」

「もういい。君は出て行ってくれないか? 早くこの服を着替えたいんだ」
 冷ややかな言葉に、メリアは愕然とした。
 終わった・・・、と。