「・・・いい加減にしろよ? だいたい、こんなことになったのは、半分以上がお前のせいだぞパトリック。彼女をデイ・ルイスの夜会になど連れて行きなどするからだ」
「・・・・・・ああ。それは認めるよ。でも・・・、みすみす彼女をデイ・ルイス侯爵に奪われる訳にはいかないだろう?」
エドマンドは黙ったままもう一度ソファーに腰を下ろした。
「君は平気なのか? メリアがデイ・ルイス侯爵に奪われることになっても・・・・・・」
パトリックは彼が逃げないことを悟り、そっと掴んでいた手を離した。
「・・・・・・それは、俺への質問か? 俺には、自身への問いかけのように聞こえるが」
パトリックに向け、エドマンドがそう質問で返した。
「君はずるいよ、エド。いつもそうやって自分の気持ちは伏せたままにするんだ」
そう言ったきり、パトリックはしばらく黙り込んだ。
「わかった。彼女をしばらくうちで預かろう」
諦めたように、エドマンドがそう呟く。
「君ならきっとそう言ってくれると分かっていた!!」
パッと嬉しそうな表情を浮かべ、パトリックはソファーから立ち上がった。
「だが、それにあたって俺の方からいくつか条件がある」



