「泣くな。俺の方こそ悪かった。ごめんな」 そう言って、ぎゅううと抱きしめてくれる廉 その温もりが暖かくて、優しさが暖かくて… 「椎菜」 そう呼んだ廉の顔は、ゆっくりゆっくりあたしの方に近づいてくる。 重なりそうになる唇に、あたしも目を閉じた時だった。