「コレを見ても、まだ彼女のこと好きだって言える?」 女の子は、少しずつ廉へ近づくとポケットから一枚の写真を取り出して、廉の顔の前でペラペラ揺らす。 その顔は、天使が悪魔に変わった瞬間のようで…背筋がゾクンと跳ねた。 「なんのつもりだよ」 いつもより低いトーンが響く。 「なにってまだわかんないの?」 バカにしたような喋り方をすると、女の子は廉のワイシャツの裾をピッと引っ張る。 「教えてあげるね。宮川さんが好きなのは、廉じゃなくて翔太なんだよ」