その生き物は、この女の子達に難しい説明をしても無駄だと思い、その場所へ座り込み、ゆっくりと話を始めました。
『はぁ…いいかい?お嬢ちゃん達、わしに名前はない。あえて言うならば、人間はわしの事を 河童 と呼んでいる。』
『へ~♪かっぱさんかぁ~♪なんか呼びづらい…う~ん…じゃあ!かっちゃんにしようよ?ね?ほのちゃん♪』
『うん♪かっちゃんにしよう♪かっちゃんにしよう~♪』
『はぁ…好きなように呼ぶがよい』
『かっちゃんはここで、何をしてたの?』
河童は立ち上がり、畳ヶ池の岸辺をゆっくり歩き始めました。