周りの大人たちから見れば、その男の子は、誰もいないのに一人で笑ったり、怒ったり、泣いたり、時には一人で相撲をしているみたいなポーズをしたりしていました。
周りの大人たちから見たら、そんな変わった男の子の言うことですから誰も信じません。
大人たちは『はい!はい!』『へ~そ~なんだ』とか、軽くあしらわれてしまうのです。
それでも、男の子は言い続けます。
『あいつは!河童は!絶対いるんだ!』
と言い張り聞きません。
夏休みが始まってから毎日!畳ヶ池にやって来ては遊んでいました。
それに、男の子は遊ぶだけではなく、池のお掃除もちゃんとしていました。
男の子がゴミを拾っても、道行く人々が池にポイ捨てして行くのか、次の日にはまた新しいゴミが水に浮いています。
男の子は、負けじとゴミを拾います。
そんな男の子の事を、お母さんは『池に落ちないかしら?』お姉ちゃんは『河童がいるとか言ってるけど…』と心配していました。