だとしたら、本当に馬鹿だな。 許せると思っているのか? 心の中で、自分自身に問いかける。もちろん、答えは否。 なのに、スッキリしない。 とうの昔に置いてきたはずの想いが、再び蘇ろうとしているかのよう。 ……いや、忘れられてなんかいない。 ただ、もうあんなやつのことなど好きなんかではないと、そう思いたいだけなのだ。 だから、本当のことを言うと、俺はきっと、夕夏のことを忘れられていない。まだ、好きなんだ。 この先もずっと、嫌いになんてなれない。 今日再会を果たして、そう思った。