たとえ結ばれなくても。

まさか今更謝られるとは考えてなかったから、正直驚いた。




「は……、」



本当、今更。



何を考えてるのかはわからないけれど、今にも零れ落ちそうな涙を溢さないようにと唇を強く噛み締める夕夏に、嘲笑うかのような笑みが漏れる。



一一許されると思ってんのかよ。



あの時は、何も語らずただ俺に別れを告げて去っただけだというのに。



それを今更許してほしいなどと願っているのだろうか。



そうだったら、笑える。




「何に対しての『ごめん』なんだよ？」



そう言うと、夕夏はハッと目を見開いた。そうして言葉を詰まらせる。