さすがにこれだけ長居をして、何も買わずに出ていくことは出来ない。 俺は店内を回り、缶コーヒーやタバコなどをカゴの中に入れていく。 「……、」 ふと、デザートコーナーが目に入った。 自然に足がそちらの方へと向き、自分の意思に関係なく、歩いていく。 そして、無意識にシュークリームを手にとった。 瞬間、違う方向からも伸びていた手と、ぶつかってしまった。 「あ、すみません。」 謝って、触れていたシュークリームから手を離す。 何で、手にとってしまったんだ。 シュークリームなんか、食べないのに。