「ごめん、ありがと。利樹部活あるだろ。じゃあな」 走り去るように教室をあとにする。 一番の友達に、涙なんか見せたくない。 ただの、強がりだった。 夢中で走った。活田のもとまで。 感情をこらえながら、いや、こらえられずに。 どうしてなんだ。 どうしてなんだよ! どうして、どうして。 俺じゃないんだ。 亜実は、俺ではない誰かの“彼女”なんだ。 どうしてなんだよ、なあ―――――― 教えてくれよ、亜実。 その笑顔を俺にも向けてくれよ。