憂子(ユウコ)先輩のデッサンを見たのは、入学してしばらくした時、美術室だった。 担任が美術の先生で、美術室へ資料を持っていく…という雑用で来ていた。 大きな机に寝ながら鉛筆を動かしている先輩 目の前には百合が花瓶に飾ってあった。 「何、見てんのー」 先輩はこっちを見ないで僕がいることに気付いていた。