私は、この学校に来てから、命というものや生き方について、その不思議さに触れてきた。
こと、私の勤務地にある三増合戦古戦場は、私に多くのことを与え考えさせてくれた。

とある授業でのこと。
子どもたちの発言や調べ学習の中で、地域の行事にまつわる話から、そこで命を落とした人たちが多くいた悲惨な合戦のことを知った。

そこで、子どもたちと幾度と無く、その命とはどういうものかと話し合った。
それから、この地に流れた血が、失われた命が、決して無駄でないことを伝えた。
黒い歴史である世界大戦のずっと以前からも、この国内では争いを、戦を繰り返してきた。

しかし、その悲惨な歴史こそが、そこで失われた命こそが、現代に生きる我々に平和であることの意味、幸せという恩恵を分からせ与えてくれた。
だから、それは過ちではあるが、決して間違いではなかったのだ。

そして、その悲惨さを忘れるのではなく、風化させないよう言い伝えを聞き、学ぶことで理解し、今ある幸せを守ることが大切なのだと心底思うことだろう。
そこから、今を生きる子どもたちに、自分たちの命とは何なのかを考えてもらった。