しばらく走った。
教室も、屋上も、体育館も。
愛美の行きそうな場所は全部まわった。
「愛美どこ行ったんだよ〜…。」
「あっ!健いた!」
2人の女のクラスメートが俺の元に走ってきた。
「どした?」
「実は今ね、部室に用があって行ってきたんだけど..。隣の空き教室から香織達の声が響いてて。すごく怒ってた。なんか誰かに向かって言ってるみたいな。様子見ようと思ったけど鍵かかってるし、窓スモークで見えないし。愛美と健、あんなことあった後でしょ?亜美がキレたりしてないかなって…。」
香織達とは、亜美と3人でいつも一緒にいる奴らだ。
あいつらなら、やりかねない。
「だからっ、だからっ…わかんないんだけどねっ?」
「愛美かもって言いたいんだろ?」
「助けれなくてごめん…」
「いいよ、教えてくれただけで。サンキューな!」
今まで以上に加速する。
亜美は根はいいやつだ。
少し派手だし、おおざっぱだし、うるさいけど。
まさか…な。

