カンカンカン
金属製の階段を上がった。
四階の踊場には、愛しい人の姿。
「愛美…」
愛美はゆっくり振り向いた。
「健ちゃん。」
愛美はポニーテールだった。
「みんな怒ってる?あたし、すっぽかしちゃったもんね…。もうすぐ二人三脚だっけ?悪いけど、あたし出れないから…。健ちゃん、亜美ちゃんとでなよ。」
「いいから…行くぞ。」
俺は愛美の話は聞かずに、手を引っ張った。
ぱしっ
愛美はその手を振り払う。
「愛美?」
「お願いだから…亜美ちゃんとでてよ。」
「なんで亜美?俺は愛美と出たいんだけど。」
愛美はまたうつむいた。

