「けーん!」
可愛い声で俺を呼びながら教室から顔を出したのは、亜美。
「よお。どした?亜美。」
「何よぉ。ただ話しかけただけじゃん。健、何にでるのかなぁって。」
亜美は可愛い。
亜美が俺に気があるのも、一年の時から知ってる。
「えっと…、クラス対抗リレーと100メートルと…」
「知ってる。」
「あと二人三脚…。」
亜美はうつむいていた。
「やっぱりあたしじゃダメかなぁ?」
上目遣いで俺を見てくる。
「う〜ん、もう決まったことだし。」
「そ…だよね。ごめんねいきなり。じゃあ、頑張ってね♪」
俺が返事をする前に、亜美はまた教室に入っていった。
亜美はいい子だし、それなりに可愛い。
俺のことも充分想ってくれてる。
でも俺が亜美を好きになることはないと思う。
きっとこれからも。
ふと愛美の顔が浮かんだ。
愛美。
お前は俺を好きになってくれるか?

