ま、いいか。 過去だしな。 「でもあたし…」 と、愛美が語りだした。 「体育祭、乗り気じゃないかも。」 え? まさか。 愛美がこんなこと… 愛美はこっちをむき直した。 「思い出に…思い出が重なるのが嫌なの。特に、楽しくない思い出が重なることが一番嫌。それならこれ以上思い出なんていらない。あたしは、過去の思い出だけで生きていける。」 まっすぐこちらに向けられ目は、一体何が言いたいのかわからない。 ここでの体育祭の思い出はいらないってこと?