「あ、あ…」
声も上手くだせない。
愛美のほうをしっかり向いてるのに、かける言葉が見つからなかった。
愛美も、俺を不思議そうに見ている。
「あたし、紗理奈!」
先に声をかけたのは、紗理奈だった。
「あ、よろしく…。」
「俺、大吾!」
「大吾君。」
「大吾でいいよ。で、こいつがぁ、わんちゃん!」
大吾がわんちゃんの肩をもって教える。
「これ以上そのあだ名の呼び方を人に教えるな!」
「ほら健、お前も。」
「あ、うん…」
やっと声がでた。
「健人。」
「わかった。」
愛美はニコッと笑ってみせた。
白い歯が見える。
可愛い…

