「恋人ってのはね、多少のスキンシップも大切なんだよ!?普通のツレじゃないんだから。手を繋ぐことなんて別に大したことでも無いでしょうよ」
「えー、夏世はイヤじゃないの?そういうの。」
あたしだったら絶対イヤだ。
「ぜーんぜん。てかむしろ、そんな愛の無い恋愛のがやだ。」
そう言って夏世は彼氏とのプリクラをあたしに突き付けた。
「うわぁ。なにこれ。」
そこに写っていたのは、肩を組みながらぴっとりくっついている夏世とその彼氏だった。
ついでにそのプリクラには<ラブラブ~!since.7/5>という落書きがしてある。
「こんぐらいが普通なんだよ、一葉が冷めすぎなんだってばー!」
あたしが唖然とそのプリクラを見つめながら聞こえるやたらテンション高い夏世の声に少しイラッとしながらプリクラを夏世の元へ返した。
あれ絶対普通じゃない。
まず彼氏と肩とか組まないし。
それ以前に男とプリクラって撮るもんなの?
プリクラの機能でやたら目がでっかくなった彼氏とか見たくないんだけど、マジで。
あと、なに?sinceって!!記念日?記念日とか覚えてんのコイツら!?何それすごい!すごいマメ!
「あたし記念日とか覚えて無いんだけど」

