学校の帰りは常一緒

出歩くときは手を繋ぐ

毎日メールは欠かさない

会えないときはもちろん電話

浮気は100%ゆるさない




あー!!!!恋愛って面倒臭い!!

「束縛ばっかすんなクソが!」


そう言ってあたしは自分のケータイを地べたに叩きつけた。


カツーンと音をたて地面に横たわったケータイを慌ててブレザーのポケットにしまう。


「ちょっと一葉ぁ?なに、カリカリしてんの」

横でそれを見ていた夏世(かよ)は溜め息混じりにあたしを見た。


「だってさ、おかしくない?なに?毎日メールって。気持ち悪くない?てか面倒臭くない?」


鼻息を立ててそう言うあたしをバカにしたように夏世は右手で頬杖をついた。


「あのさぁ。あんたその<面倒臭い>って理由で何回男と別れてんの。」


「今回はまだ別れてないっつぅの!ただ最近会うたびにアイツ(彼氏)、会えないなら電話しろーだの、一緒にいるんだから手繋げーだの、一緒に帰ろーだの…面倒じゃない?」

あたしそういうの大ッ嫌いなんだよね。

なんで相手にそんなん言われなきゃならんのかわからないし。ほっとけ、みたいな。

飽きない程度に会ってたまにラブラブするだけでよくない?



「それだからアンタは駄目なんだよ」


夏世はそう冷たく言い放って「いい?」と頬杖をついていた手であたしを指差した。