愛してるんだよ。

「分かった」



と言うと、椅子に座って一花を見た。



『俺、何もしてやれなかった。守ってやれなかった…一葉苦しんでたのにッ!!』



そう言った一刃は、涙を堪えていた。



中学生がこれだけ人を思えるのに、自分は何をしているんだろう?



と恥ずかしくなって、静かに病室を出て家へ向かった。






家について騒然とした。



いつもきちんと片付けてある部屋…



今は、ひとつも綺麗な所なんてない。



泥棒?



そう思ったけれど、通帳や金品は盗まれていない。