愛してるんだよ。

これは、詩なんかじゃなくて俺宛の手紙だ。



何でこんな回りくどい事、何で!!



そんな事を思いながら、何でなんてわかりきっていたのに…はっきり言う事が一花は苦手だと。



家の前まで来ると、一葉が家から走り出てきた。



その後を追うように出てきた一花は、何故か一花に見えなくて…振り乱したその姿を初めて目にした。



そして…一瞬だった。



角を曲がった車に一花はハネられて…血だまりに倒れていた。


サァーと自分の血の気が引いていくのが分かる。


一花が流している血は、俺の血ではないかと思う位…貧血に似た感覚に陥った。