愛してるんだよ。

自分のせいなのに…俺は逃げたんだ。



一花の表面しか見ないで…



あの日、荷物を持って出掛ける俺を見送った一花がどれだけ不安だったかなんて考えもしないで…



一番、居なきゃいけなかった時に、逃げた。



仕事場について、詩を見る事を後回しにして、溜まっていた仕事を片付けていた。




時々、家に連絡を入れて一花の声を聞いた。



いつも、相槌を打つだけの電話のやりとりの中で一花が初めて仕事の事を聞いた。



“詩読んだ?”



と。