愛してるんだよ。

『…分かった。許す』



と一花は、変わらず無表情で言った。



その言葉に救われた気がして、一花の本当の気持ちなど、聞きもしないで、ありがとう…と言って抱き締めた。



まさか、その一部始終を一葉が見ているなんて思いもせずに…




次の日、一花が書いた詩と少し多めの荷物を持って仕事へ出掛けた。



曲を作るとなると、しばらく家を空ける事がよくあった。



離れるのは寂しいが毎回の事だから一花もそれは承知で、詩を書き上げた次の日は仕事場に泊まる手荷物を準備をしてくれる。



でも今回は少しありがたいと思った。



気まずくて、居づらかったから…