愛してるんだよ。

外が騒がしくなって、コンテストの開始が間もなくである放送が流れた。



「コンテスト、もうすぐよね?」



と、なるべく落ち着いた声で言った。



『うん』



と抱き締めたまま、カズは返事をする。



「行こう?私、もう大丈夫。八つ当たりなんかして…ごめん」



と謝った。



自分を変えていこうと思ったから、素直にもなっていこうと思った。



優しく、嬉しいだけの気持ちを持っていたかった。



でも、それは無理だと知った日から、私はずっとその現実に目をつむって生きてきた。