「先生って本当、仕事してないですよね」

「はい?」


ことが終わったのは、あれから一時間後。

僕はシワが付いたYシャツのボタンを留めながら先生に言う。


「ドアに外出中、なんて。いるのにも関わらず…」


僕はこんな大人にはなりたくない。
楽して稼ごうなんて、まったく。


ネクタイをキュッと上まで締めれば、キッと先生を厳しい目で見つめる。


「高木くん、なんかいきなり言うようになったな、お前」

「だって、そうですよね? 僕、なんか間違ってますか?」


「……間違ってるよ」



艶やかな唇がいやらしく弧を描く。

何故か自信ありげの先生は僕をまるで見下すかのように、言った。






「だって、俺。外(そと)出し、してただろ?」