「遥、降りるよ。」




香奈に手を引かれた。
気が付けば電車は私達の目的地の終点に着いていた。



「ごめん。先行っといて!!」




相沢は早口に言うと小走りしていった。
先に降りるときにちらっと見たらそこにはスーツ姿の女の人がまだ眠っていて


「終点ですよ。」


って相沢が起こしてた。




相沢はやっぱり優しい……
それを誰にでも当たり前のようにする。



だから私は不安になる。