「雪、降りそうだね……」 車内から外を眺めていた香奈が少し期待まじりに言った。 その声に三人とも窓の外を見た。 学校帰り。 香奈の誕生日で1番大学から近い井上の家に行くことになった。 時間帯が時間帯なだけに電車には仕事帰りのサラリーマンや学校帰りの学生が大勢いる。 ドアに寄り掛かる相沢が寒そうに手を擦り合わせた。