「そうだと嬉しいな。」 香奈は井上に手を振り返した。 微笑ましいような、羨ましいような…… 「相沢君はいないの?そんな人。」 「えっ?」 油断していたのか相沢は矛先を自分に向けられて戸惑った。 私もすごく気になる。 相沢に気になる人がいるのか…… あれ以来、相沢を嫌でも意識してしまう自分がいる。 「お待たせ致しました。」 料理を運んできた井上に会話をいったん中断された。