手の平から



どうして相沢は泣きそうな顔をしてるの?



どうして………





「言いたかったのはそれだけなんだ……」



相沢は私の手を離してドアに向かった。


温かかった手からどんどん熱が逃げていく。



私が失いたくない手の平の温もり。




「相沢っ!!」