「おはよう」


月曜日、相変わらずヒロキはモテモテだった。


「先生っ、大好き」


ついにそんな事を皆が言うようになり、私はただその状況を見つめていた。


『大好きか…』


小さな声でそう呟きながら外を眺める。


「薫っ、ボーっとし過ぎ」


優しい笑いをしてるのはタケだった。


『おはよう、ボーっとしてたかな』


「悩みなら聞くよ?」


なんて優しい人なんだろう。
おまけに顔も整っていて、引き込まれそうな瞳。

『悩みなんか、、、ないよっ』


「なんかあったら言えよっ」


『うんっ…あれ、美咲は?』


いつも見た目とは裏腹早く学校に来る美咲の姿が見当たらない。


「あぁ、今日はちょっと休み」


まずい事を聞いてしまったかのような対応をするタケはいつもと何かが違った。


『なんかあったの?』


「いや…ほら、あいつ体弱いじゃん?
だから、風邪」


確かに美咲は一ヶ月に最低一回は必ず学校を休んでいた。

理由は全て風邪。

その日に心配メールをしても絶対に返信は来なかった。