「やるじゃん、ヒロキ。

あんたさ、たまには女の子らしい服着たら?」


またまた突き刺さる一言。
けど、私はこの程度では傷つかない免疫を持っている。


『えー、だってこっちの方が楽なんだもん♪』


確かに私はいつもショートパンツにちょっとオシャレなTシャツしか着ない。

明るくお姉ちゃんと彼にだだをこねるように言う。


「だから、彼氏も出来ないのー」


『だってー』


「だってじゃないのっ」

お姉ちゃんの強い一言に言い返せない。

けど、私は性格だって決して女の子らしくないし、、、唯一女の子らしいのは長い髪に白い肌くらいだった。


見た目は女の子っぽいのに中身は男の子。


「けどな、薫学校ですげぇモテてるよ」


そんな時余計な事を言ったのはヒロキだった。


「うそー」


お姉ちゃんは馬鹿にした笑いをしながら再び雑誌を読み始める。


「学年のマドンナだって、こいつのクラスのやつが言ってるよ」


『余計な事言わないで』


「お姉ちゃんの方が絶対モテてたねっ」


お姉ちゃんは得意気にそう言って笑った。


「お前そんな事でムキになるなよ」


そうお姉ちゃんに言ってる彼の姿を見て私の胸はなんだかギュッと痛かった。