あれから一週間。




彼の人気は劣るところかヒートアップしていた。

彼は毎日毎日たくさんの手紙を貰い、メアド交換してー!っと毎日毎日言われ続けた。
それに告白も相次ぎ、学校中が怖いほど盛り上がっていた。


皆とメアドを交換したかは知らない。
むしろ、どうでもいい。


だけど、お姉ちゃんを傷つけて欲しくはなかった。


そして、私達は挨拶しか交わさない仲になっていた。



あの日からまともな会話はゼロに近い。



『今日もうるさい…
…邪魔だし』


そう職員室の前で呟きながら、職員室を通過する。


「俺も同感っ」


タケがそう言って迷惑そうにヒロキを見ている。


『あなただってモテるのは一緒でしょ?』


意地悪そうな顔でタケを見上げる。
鋭く引き込まれそうなタケの目には慣れたけど、見る度に綺麗な目だな…と私は毎回思う。


「薫だってっ」


『私は違うもんねーっ』

そういたずらな目をして私達は笑い合う。


「なーに、朝から二人いちゃついてっ」


美咲がぐいぐい二人の間を入る。


『「違うっ」』


二人で同時にそんな言葉を言うから私達は笑いが止まらなかった。