飛びかかって来たのは、牛くらいサイズがある大きな犬だった。
「きゃぁっ!」
さっきまで素振りに使っていた剣を反射的に振り回す。
怖い。
怖い怖い怖いっ!
こないでっ!
犬の荒い息づかいが聞こえる。
口の中の血のように赤い舌と鋭い牙を直視できなくて顔を背けてしまった。
息の中に含まれる腐った肉のような臭いが鼻をつく。
「うーん、やっぱ素振りやっただけじゃ実戦には使えねぇな。」
ヒュンッと風を切る音に、腐肉の臭いは断ち切られた。
「え?」
犬は白目を剥いて泡を吹き、地面に横たわって痙攣している。
「アケビがやったの?」
ニッと笑って、アケビは剣にしている右手を構え直す。
「看取り稽古だ。よく見てろよ。こいつがホントの戦場だ。」
「それと」
私の方に背中を向けて付け加える。
「俺から離れるな。」
「きゃぁっ!」
さっきまで素振りに使っていた剣を反射的に振り回す。
怖い。
怖い怖い怖いっ!
こないでっ!
犬の荒い息づかいが聞こえる。
口の中の血のように赤い舌と鋭い牙を直視できなくて顔を背けてしまった。
息の中に含まれる腐った肉のような臭いが鼻をつく。
「うーん、やっぱ素振りやっただけじゃ実戦には使えねぇな。」
ヒュンッと風を切る音に、腐肉の臭いは断ち切られた。
「え?」
犬は白目を剥いて泡を吹き、地面に横たわって痙攣している。
「アケビがやったの?」
ニッと笑って、アケビは剣にしている右手を構え直す。
「看取り稽古だ。よく見てろよ。こいつがホントの戦場だ。」
「それと」
私の方に背中を向けて付け加える。
「俺から離れるな。」


