脚が地面を蹴り、爪が空を切る。

鋭い悲鳴のような風切り音の通り過ぎた後に、ピエロはいなかった。

「あれっ?」

さっきまでは確かにいたのに。蜃気楼のように消えてしまった。

「イヤだなぁ、何するんデスカ。私はただ一人目発見のお祝いを言いに来ただけなのに。」

その声は後ろから聞こえた。

振り返れば、何事もなかったかのようにピエロは立っている。

「それから、ご褒美にヒントも教えてあげようと思ったんデスがね、どうします?聞きたいデスカ?」