アケビは鍵を探してさまよってた。

地下から上がると、そこもかしこも呆れかえるほどに絢爛豪華。

目立たないように、液状なままで地面を這って移動しているが、フカフカな絨毯のせいで動きにくい。

「ちっ。どこに行けばいい?」

トラベラーは一般人と比べれば、特殊能力がある分強い。

よほどの事がなければ心配はないはずだ。

しかし、タイムは初心者で、サルビアは小さくて戦闘には向かない。

救いはどちらも魔法を使える事だが、あいにく魔器を含めて全ての武器は投獄された時に取り上げられてしまった。

急ぐに越した事はない。

しかし、行く宛なんかない。

豪華さに比例して広さも相当なもの。虱潰しに探すには、時間がかかりすぎる。

こうなると、答えは一つ。

誰かに聞けばいいのだ。

穏やかではない手段を使っても。