良かった。なんとかなりそう。

けど…

「…ヒマね。」

「うん、退屈。」

とりあえず、出られる目処は立った。

安心したら、急に気が抜けたっていうか…

うん、とにかくする事がない。

「アケビ~っ!まだぁ~!?」

「アケビって?さっきいた、顔に傷があるゴツいオジサン?そこにはいないみたいだけど、なんで?」

誰!?

サルビアを見ると、こちらも目を丸くしている。

考えられるとすれば未来の国の誰か。

という事は…

ヤバい!さっきの話を聞かれた!バレたかも!

「アンタ、誰だい?盗み聞きは感心しないねぇ。」

頑丈な鉄の扉の向こうにいる誰かが、クスリ、と笑った。

「私はねぇ、王女だよ。アイリスっていうの♪」