「止まれ!そこの3人!」

出発してから数日後、あと少しで未来の国に入る、というところで、私達は武装した集団に囲まれた。

「なに?コイツら?」

一見さんお断りってやつかな?

「俺はこんなやつら知らねえな。サルビアじゃねえの?昔騙した男のダチとかだろ。」

「人聞きの悪い事言わないで!私はそんな尻軽じゃないわ!タイムなわけないんだし、アケビでしょ!?」

「ちげーよ。俺が何したってんだ。」

あーぁ、なにもめてんだ。こんな非常時に。

「つべこべ言うな!ついて来い!王女がお呼びだ!」

おっ、これは好都合♪

私達は王女の異変について知りたくて来ている。いきさつはどうあれ、いきなり会えるなんてかなりラッキーだ。

「なんの用?」

「知る必要はない!」

「こっちだって変な儀式の生け贄にでもされちゃかなわないし、教えてくれないなら行かないけど?」

2人はまだもめていて、あてにはならない。私がうまいことやらなきゃ。

とりあえず、相手の要求に逆らおう。そうすれば、勝手にムキになって、早く確実に連れて行ってくれる。

「貴様!何を言っている!王女を愚弄する気か!」

「何って事実を言ったまでだよ。王女ってなによ、そんなに偉いの?巫女のコスプレして怪しげな事をのたまってるだけでしょ。」

よっぽどこの人達にとっては、王女は絶対的な存在なようで、頭から湯気をだしそうなくらい真っ赤になっている。

「許せん!引っ立てろ!」

しめしめ。うまくいった。

「3人とも牢にぶち込め!」

げ、しまった。ヤバい。

さすがに牢屋はヤダ!