「神秘の国?大将が教祖様なだけでしょ。胡散臭い。なんでそんなとこ行くの?」

そんな変なとこに行くのヤダ。

そんな非現実的な方法で成り立ってる国がまともなわけがない。

「風の噂なんだが、最近王女である巫女の様子がおかしいそうだ。まるで、別人になったみたいに、人が変わったらしい。」

「病気なんでしょ。頭の。」

ぶっ、と2人が吹き出した。

「なかなか言うわね。けど、王女の人望は厚いわよ。信仰の根強さを差し引いても、政治は安定してて、国民には慕われてたみたい。」

「なのに突然人が変わった?なぜ?」

「気になるでしょ?だから行くの。少しでも引っかかる事があったらまず出発。これがトラベラーの心得よ。」