「ほら、この中から好きなのを選んで。」

ほら、とサルビアが案内してくれた先は、薄暗い倉。

ノコギリソウは仕事があるって言って来てくれなかったけど、途中でバトル中だったアケビを連れて来た。

どんなのがいいだろ?

武器倉庫には、ものすごい量の武器が押し込まれていて、目移りしちゃう。

豪華な装飾がされた宝剣。

すらりと伸びたなぎなた。

鈍い銀色に輝く日本刀。

なにもついていない、シンプルで固そうな棒。

しなやかな曲線を描いた弓と、鋭く尖った矢。

重たそうな鎧兜に盾。

ジャッキーみたいなヌンチャク。

それから、なぜかハリー・ポッターみたいな杖や占いに使うような水晶、お坊さんが持ってるような錫杖まである。

その中でもいっそう場違いで、目立つ物があった。

「なんで?」

楽器。

それは、人を楽しませる物であって、けして傷つけるためにあるのではない。

けれど、確かにここにある。