「おしまい。」

語り終えると、サルビアはパタンと絵本を閉じた。

自分よりも大きい絵本を一生懸命めくっている姿はなんだかかわいい。

「と、いうわけで、私達は四六時中狙われてるの。気をつけなきゃダメよ。」

敵から隠れて、見つかれば戦わなければいけない。

もし、戦って負ければ間違いなく死に、永遠にさまよう。

そして今、たった独りでわけもわからず迷子になっている二人は、私よりもはるかに危険。

「すぐ行かなきゃ。早く2人を見つけないと、そのリヴァイアってやつに殺されるかもって事だよね。」

うむ、とノコギリソウもうなずく。

「そうだ。出発は早いほうがよい。準備が整い次第、すぐに旅立つのが賢明だ。」

「準備って言ってもなにも持ってないでしょ?とりあえず武器を選ぶの手伝ってあげる。倉庫に行けば好きなのを借りられるわ。その他の物は市場で買ったほうがいいし。」

「ホント?ありがとう!」

親切が身に染みる。

本当にこの人達に会えて良かった。