「ヤダよ…死ぬなんて」

ついにフウカは泣き出した。

私も泣きそう。

でもなんとなく泣きたくない。

諦めるみたいで。

涙をこらえたところでどうなるわけでもない。

けれど、ひとしずくごとに可能性がこぼれ落ちてしまう気がする。

すでに可能性なんて0に等しい。でも諦めるなんてイヤだ。

死にたくない。

まだ生きたい。

帰りたい。

これから先、楽しい事や嬉しい事がまだまだたくさんあったはずなのに。

たくさん遊んで。

たくさんおしゃべりして。

恋をして彼氏でも作って。

…もう、なにもできない。

そんなのイヤだ。

「死にたくないでしょう?」

不意に、後ろで声がした。