なぜ?

どうしてこの人がそんな事を聞く?

きっと『白黒ピエロ』っていうのは、さっき三途の川に出没したあの不気味なピエロに違いない。

「答えてくれ。」

逆光で表情は見えない。

けれど、なんとなく、必死な顔をしてるんじゃないかと思った。

「…知ってるよ。」

答えると、男はさらに質問を重ねる。

「男か女か。」

「女だよ。」

「…トシは?」

「15才。」

なんで?

こんな事を聞いてどうする気?

「くそっ、違ったか。」

何が?

「まぁいいか。」

剣を鞘に収め、男は手を差し出した。

「悪かった。俺はアケビ。お前と同じ、トラベラーだ。」